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編み物の楽しさを知って欲しい。基本的なことを学んだ先には、好きなものを好きなように作れる世界が広がっていました。

オーダーでの手紡ぎ糸、オンラインの編み物教室…いつも新しいことに挑戦しているニットデモッテさん。お教室としているカフェは天井の高い素敵な空間です。柔らかい笑顔で「娘が今日のために施してくれました」とアラン模様のネイルを見せてくれながら、インタビューが始まりました。

いつも公開してくださる写真がかわいく加工されていたり、オンラインで教えていたり、ITに強い印象があります。

画像加工は子供たちに教わりました(笑)。名刺に羊のイラストを描いていますけどそれも娘が描いてくれたんです。文字の方は息子が作成してくれました。会社勤めから編み物の世界へ踏み出す時も家族に相談したのですが、「これまでお仕事頑張ってくれたから、これからは好きなことでがんばって!応援するよ」言ってくれたんです。今も、忙しすぎる時など「無理しないで、大丈夫?」と心配してくれています。
※左/ニットで羊 右/オーダーでの手紡ぎ糸で作った幸せを運ぶ虹色羊


頼もしい応援団がついているのですね!まず活動内容から教えていただけますか?

編み物講師と編み物作家の両方で活動しています。「カフェでのマンツーマンフリーレッスン」「ココナラのオンライン編み物教室」そして、「オーダー作品の受注」が主な活動です。

カフェでの対面フリーレッスンは、ずっと場所を探していたのですが、宇都宮のカフェのオーナーにご了解いただき2019年8月にスタートしました。このレッスンでは、編み物初心者さんも経験がある方も、お申し込みいただいた時点で目的や目標、編みたい作品をお聞きしています。その上で、習得していただく順番やサンプルを準備して、少しでも早く目標に近づけるようにと思っています。

その前に既に始めていたのが、オンラインの編み物教室です。内容はユーザーさんのリクエストにもよりますが、作り方のサポートや編み図の作成、作品を作って送って欲しいということもあります。文章と画像だけでサポートするのは、受ける方がわかりやすい言葉で説明しなければならないので苦労もあるんですけど、喜んでくれる方やリピーターの方もいて2年半で60件以上の実績になりました。ありがたいです。


いつも多彩な作品を公開してくださいますが、編み物との出会いを教えてください。

一番最初は、小学校4年の時に手芸クラブに入って、近くの手芸店から教えに来てくれた先生に人形が被る小さな帽子を教わったところからです。楽しくてはまってしまって、いくつもいくつも同じ帽子を編みました。ひたすら同じものをたくさん(笑)。
それからずっと何かしら自己流で作っていましたが、就職した銀行の近くにあった手芸店で編み物教室を開催していたので、きちんと基礎から学びたいと思い入りました。教室では編み物以外の手芸もひと通りやってみたんですけど、編み物が一番楽しくて性に合ってるかなと思ったんですね。

そのお教室で高等科まで習得し、その後しばらくは子育てがあったので趣味として続けていましたが、その後もっと本格的に学びたいと思い始めフローラ編物学院に入りました。手編みはひととおり出来ていたので、今度は機械編み科というところから始めました。でもやっぱり手編みをもう一度イチから勉強したいと思ってさらに製図も習い始めて…
学校は、仕事が終わってから行ける夜間部に通っていたんですけど、のめりこむタイプなので(笑)、通常のコースの他に資格を取るために1年間日曜日に行われる特別講習を受講し、40代後半で手編み指導員・准師範(日本手芸普及協会認定)の資格を取りました。

自分で編んで楽しむというところから、資格を取って人に教えるというところへ方向転換していったのですね?

そうですね、実は資格を取ることには、あるきっかけがありました。息子が一時登園拒否みたいになってしまったんです。お家で遊んでいましたが、何かきっかけがあったら幼稚園に行ってくれるかなと思いまして、そのころ流行っていた息子の大好きなキャラクターをモチーフにベストを編みました。そして「幼稚園のお餅つき大会にこれ着ていく?」って聞いたら着ていきたいって言ってくれたんです。それからは、それを着て毎日元気に幼稚園に行くようになったものですから嬉しくて。その時に、編み物っていうのはただ趣味として楽しむだけじゃなくて、こういう力もあるんだなというのを実感したんです。それで、みんなにも編み物の持つ力を伝えたいなと思うようになって、教えるということに興味を持ち始めました。


教えるなかで、何か印象的な出来事があったら教えてください。

オンラインのユーザーさんで、私の編み物サポートのサービスをとても気に入ってくださって何度かリピートで利用してくださった方がいたんですね。その方は私が初めてキット販売をする際にはご購入者の立場からご提案してくださったりしたんですが、ある時、人柄が伝わるからという理由でブログを書くことも薦めてくださったんです。その後実際に対面教室にお申込みいただいた方にお話を伺うと、お教室の案内のほかにブログを見て私の人柄がわかって安心して申し込むことが出来ましたと…。本当にありがたいアドバイスだったと思いました。そのユーザーさんは私のことを目標にしてくださっていて、今はタティングレースの先生を目指して勉強中です。

ひとりでやっていく中では、生徒さんとの信頼関係が出来た時や、このユーザーさんのように応援していただけた時などはとても嬉しく、ありがたいと思っています。

ニットデモッテさんは、オリジナルデザインの作品もとても素敵です。

絵を描くのは苦手だし工作もそれほど得意ではなかったんですけど、ただ、毛糸を持つと創造力が膨らむんです。私の場合デザインには2パターンあるんですね。この毛糸だったらこういうものができるんじゃないか、こういうデザインが良いんじゃないかというパターンと、逆にこういうものを創りたいので、そのためにはどういう糸にすれば良いか、素材選びから始めるパターンと。今は自由自在にできることが嬉しくて。毛糸は1本の糸から面を作ることが出来て、それを繋ぎ合わせることで着るものができるという発想。平面のものを立体にもできるので、創造力が膨らむといいますか、頭の中に映像が「パッ」と浮かんでくるんです。

でも、初めからデザインに興味があったわけではないんです。フローラ編物学院の先生の個展で、その芸術品のような作品に衝撃を受けて魅了され、すぐにその先生が教えていらっしゃる学院に通うことにしました。通常のコースで基本を学びながら、同時進行で先生がデザインされた作品を編むということをやっていたんです。そのうち、こんな風にしたら面白いものができるんじゃないかということが創造できるようになってきて、先生にお見せすると「すごくいいアイデアですね!」って言っていただけるようになりました。

オリジナルデザインをするためには基礎が大切なので、基本中の基本から学んで、基礎力がついて初めてアレンジや応用ができるようになって、さらに資格を取ったのち、ようやく自分の好きなものを好きなように作れるようになった時にはとても嬉しかったです。早く自分がデザインしたオリジナル作品を作りたいとずっと思っていましたので…。


自分の好きなものを好きなように作れる…憧れます!これからはどういう目標に向かっていきますか?

対面でも、オンラインでも、生徒さんが楽しく編み物を続けて行けるような教え方をしていきたいと思っています。楽しみながら技術を習得していただくことですね。
その先には、生徒さんがレベルアップされて他の方に教えていけるようになればいいなという夢もあります。既に、将来私のように編み物をお仕事にしたくて通信教育も始めましたという方もいて、とても嬉しいです。

それと、いつか挑戦したいと思っていた、北海道士別の「第10回全国ニット大賞」に今年応募したいと思っています。いつもお世話になっている手紡ぎ糸のお店や作家さんにもご協力いただいて一緒にやろうと。色々な繋がりがまた新しい年に向けて広がっていて、とても楽しみです。

優しい笑顔のどこにそんなパワーがあるのだろう?と思ってしまうほどエネルギッシュなニットデモッテさん。ニットをキーワードに世界を広げていく「ニットでもって…」そのままのご活動だと感じました。ありがとうございました!

※2020年01月時点の内容になります。

ニットデモッテさんの作品一覧はコチラです。
プロフィール
ニットデモッテさん
子育てと仕事をしながらフローラ編物学院で編み物全般を学び、40代で手編み指導員の資格を取得。編み物を趣味から仕事にするために36年間勤務した銀行を退職後、2017年から編み物の指導員・ニットデザイナー 作家として活動開始。ココナラで出品中のオンライン編み物教室では60件以上の販売実績あり。2019年8月から栃木県宇都宮市のカフェでマンツーマンの個人レッスン開始。(プロフィールは記事掲載時のもの)
てといとのプロフィールページはコチラ
ニットデモッテさんのお教室
●マンツーマン個人レッスン
場所/東武宇都宮線南宇都宮駅から徒歩1分のカフェコース/体験コース(1時間1800円)・フリーコース(2時間4000円)・1回のみまたは短期レッスン(1時間2300円)※詳細は「みんなの手芸教室」サイトをご確認ください
●オンライン編み物教室 ココナラ
・編み物でお困りの方相談に乗ります ・電話で編み物の相談に乗ります※詳細はコチラ
ニットデモッテのインスタグラム
knitdemotte
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ニットデモッテのブログはコチラ
画像・テキスト資料出典
画像は全て(C) エムデザインオフィス

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